○ボロボロな部屋
冷夏「っ、いだっ、」
冷夏、声を上げる。
冷夏に馬乗りになっている父、ギロリと冷夏を睨む。
冷夏父「あ?黙っとけよ」
冷夏(私のことを殴ってくる相手は、私の父だ。)
冷夏(ただし、血縁上の関係はない。)
冷夏、助けを求めるように身を捩らせる。
冷夏母、此方に目を合わせようとしない。逆に、遠くを見るように目を逸らしている。
冷夏(この母、顔が窶れている母は一応、私と血が繋がっている。)
周り、缶ビールや酒瓶の破片。使用済みの煙草やゴミが散らばっている。

◇◆◇

冷夏父「ちっ、今日はここまでにしといてやるよ」

数分後。
冷夏の父、ゴミも何も無い1カ所に横たわり眠ってしまう。
その後冷夏の母、細々とした手で、冷夏の血を片付け始めた。
冷夏母「気持ち悪い、」
冷夏(此処には、私の居場所はない。)
冷夏(それは私が父に会ったときから、直感で感じていたこと。)
冷夏(逃げてやる、)
冷夏の逃げ出したい気持ちが今日、頂点へ達っした。
冷夏(母が後ろを向いている今、私は何も持たず家を飛び出した。)