○真っ暗な部屋
冷夏が床に腰をうち顔を歪める※ドンッ
冷夏「ぃだっ、!」
冷夏、悲鳴をあげる。
水儚「ちっ、うるせぇっすね。女は黙れっすよ」
冷夏(…ミクちの蔑みは、あまり好ましくないですね)
冷夏「なっ、なんで。こんなことするんですか…?」
冷夏「ミクち!!」
冷夏、叫ぶ。
朔「…俺は(さく)っす。リアルじゃ水儚じゃないっすから」
冷夏「…ミクち、じゃなくて。朔ですね」
朔「そっ。間違えないでくださいっすね」
朔、そっけない態度を取る。空を見つめる。
冷夏「では、先ほどの質問に答えてください」
冷夏、朔を見据える。
朔「ちっ、覚えていやがったっすか」
朔、苛つく。
冷夏「覚えていますよ。当たり前です」
朔「…そうっすか」
肩を竦める朔。
朔、遠い目をして冷夏に説明する。
朔「簡単に説明すると、俺たちは孤児っす」