エマはかわいいものがだいすきな女の子。
 キラキラしたものも、うっとりするくらいきれいなものも、だいすき!

 エマのママは、舞台いしょうのデザイナーです。
 わくわくドキドキするおしばいに登場するきれいなドレスや、フリルいっぱいで夢のようにかわいい舞台いしょうをたくさんつくっています。

「わたしもいつか、ママみたいなデザイナーになりたい!」

 それはエマのたいせつな夢です。

 エマのノートには、ドレスの絵がたくさん描かれています。
 どの絵も、いつかこんなドレスをつくりたいと願いながらエマが描いたものです。

 今日もエマは大事なノートをリュックにいれて、家の近くの図書館に出かけます。

「いってきまーす!」

 図書館ですてきなものがたりの本を借りて、そのものがたりにぴったりなドレスやお洋服を考えるのが、エマはとても好きなのです。
 さあ今日は、どんなものがたりに出会えるでしょうか……?

 ――コツン!

「え?」

 図書館へと向かっていたエマのあたまに、なにか小さなかたまりが落ちてきました。
 エマのあたまに当たったそれは、コロンと地面にころがります。

「なんだろう? これ」

 エマがひろい上げると、それはキラキラとかがやきました。
 星の形をした、きれいな宝石。

「わあ。きれい……!」

 目の高さにかかげてみると、すき通ったその宝石は、まるで青空をとじこめたような美しいスカイブルーでした。
 エマがそのかがやきにみとれていると……

「あー! まって、まって! それ、わたしのなの!」

 あたまの上から、声がきこえてきました。