壁の中の彼氏

 亜美の存在が引き金になったのか、文芸部の顧問が頻繁に顔を出すようになって数ヶ月が経過する。
 特に次のコンテストが近い最近では毎日のように部室に来ていた。
「作品を読んであげるから、書けたらもってきなさい」
 それは小紋としてごく普通の言葉だったけれど、亜美以外の部員たちはみんな驚いていた。
 今までこんな風に生徒の作品を気にかけたことはなかったみたいだ。