壁の中の彼氏

「今日は結果発表の日だったんじゃないのか? その様子じゃダメだったのか?」
 声が心配している。
亜美はベッドに横になったまま「受賞できたよ」と、報告した。
「それならよかったじゃないか。なんで喜ばないんだ?」
 受賞は嬉しかったけれどその後の展開が最悪だった。
「同じ部活の子にゴーストライターがいるんじゃないかって言われた」
「なんだそんなことか。ただの妬みだろ」
「そうだろうけど、でもやっぱりドキドキしたよ」
「それなら部活なんてやめればいい。一人でも小説は書けるんだから」
 男に言われて亜美は黙り込んだ。
 小説は一人でも書ける。