壁の中の彼氏

 そもそも誰からも言われることがないからしなくてもいいだのと、勝手に解釈していた。
 これに関してはこちらも悪いところがあったと認めるしかない。
「わかった。確かに掃除は全員でするものだもんね」
 亜美が素直にホウキを受け取ったので優子とアミは拍子抜けした表情になる。
 受賞経験があるから調子に乗っていると思われていたのかもしれない。
「じゃあ、私も手伝う」
 友惠がすぐに掃除道具入れへと向かう。
「それにしても、沢山受賞しててすごいよね」
 腕組みをしたアミがふたりの掃除を見ながら言う。
 どう返事をすればいいか迷い、亜美はそのまま無言で掃除を続けた。