壁の中の彼氏

 転校生は天才小説家の卵だと噂する子たちも出てきた。
「みんな大げさなんだよ」
 妙な噂を耳にして亜美は苦笑するしかなかった。
 ここに転校してこなければ、こんな風に噂をされることだってなかったと思う。
「それだけ亜美が頑張ってることなんだから、自信持ちなよ」
 友惠は亜美が受賞する度に自分のことのように喜んでくれる。
 噂についても、本人が嬉しそうなのでほっておいている雰囲気だ。
「そろそろ帰ろうか」
 部活を終えて亜美と友惠が並んで帰ろうとしたとき、「ちょっと待ってよ」と、後ろから優子が呼び止めた。
 優子の隣にはアミもいて、なんとなく嫌な予感がする。
「なに?」