壁の中の彼氏

 どうしてもやる気が出ない時は友惠を誘って甘い物を食べに行くようにもなった。
 そうやって徐々にこの街にも馴染んでいくのを感じていた頃、亜美は二度目の受賞を果たした。
「すごいじゃないか。こんなに短期間でニ回も受賞するなんて」
 最初はそれほどのやる気を見せていなかった文芸部の顧問だったけれど、亜美がきてからは頻繁に部内に顔を見せるようになっていた。
「ただのまぐれです」
 亜美は照れくさくてそう言いながらも嬉しそうに頬を緩める。
 今回のコンテストも前回同様に短編の募集だったけれど、完結必須だった。
 少しだけハードルの高いコンテストで受賞したことで、みんなの亜美を見る目も変わってくる。