壁の中の彼氏

 最終候補に残ったのはもちろんアミのことだろう。
 受賞と聞いてアミと優子が居住まいを正すのが見えた。
「今回の大賞を受賞したのは残念ながら他の学校の生徒だった。でも優秀賞を受賞したのは……」
 顧問が思わせぶりに生徒たちの顔を見つめる。
 一瞬亜美と視線がぶつかり、全身に緊張が走る。
 けれどその視線はすぐにそらされた。ホッとすると同時に胸がズキリと痛む。
 きっと自分ではなかったのだと心の中で感じる。
 友惠か、それとも先輩の作品が受賞したに決まっている。
 だって私は今までろくに完成させてくることだってできなかったんだから……。