壁の中の彼氏

「作品を完成させるのってすごく気持ちいいことなんだね」
「そうだね。たぶん、ランナーが走り終わったときの感覚に近いんじゃないかな?」
 友惠の例えに亜美は何度も頷いた。
 執筆だって一度始めてしまえば長旅だ。
 最後まで走り切ることができるかどうかは、自分次第。
 途中で脱落してしまうことだって沢山ある。
 そんな中最後まで書き終えることができるのは、きっと一握りの人だけだ。
「コンテストの結果発表はひと月後です。それまでまた自分の作品を作りましょう」
 教卓の前に立ち、アミはそう言ったのだった。

☆☆☆

 創作活動は書いて終わりじゃない。ということを亜美は始めて痛感した。