壁の中の彼氏

 締め切りまであとニ週間くらいしかなくて、正直ちょっと焦っている。
「まだ……」
 創作用のノートは真っ白だ。
 毎日映画を見たり本を読んだりシているけれど、なにもいいアイデアが浮かんでこない。
「無理に考えてもダメなときはダメだから、今日は気分転換でもしようよ。甘い物を食べると頭を働くし」
「スイーツを食べに行くの?」
 亜美はシャーペンを置いて友惠へ視線を向けた。
「駅前にあるスイーツ屋さんに行ったことある?」
 その質問に亜美は左右に首を振った。
 休日に友惠に誘われて出かける意外では、まだそんなにこの街を歩き回っていない。
 両親と行くのは毎回大型スーパーだばかりだ。