土曜日。テニス部の練習は昼過ぎまで。
いつもなら部活の後は家に帰って昼寝をしたり宿題をしたりするんだけど。
今日はこの後、コウと特別特訓をするんだよね。
練習中、コウはいつも通りの爽やかな笑顔で汗を流していた。
先輩たちに混じってラリーやスマッシュの練習をしている。
「伊崎君ってすごいよね。テニスも上手くてあんなにかっこいいなんて」
市川さんが一年女子のみんなにそう言って回るのが聞こえる。
コウを好きなのがダダ漏れだ。
一年女子は私以外みんな初心者なんだけど、中でも市川さんが一番強いみたいな感じになっている。
「市川さんと伊崎君が付き合ったらお似合いなのにね」
「ええ、そうかな〜」
誰かがそんなことを言い、市川さんがまんざらでもない感じで答える。
コウが今まで誰かと付き合ってるとか聞いたことがない。
コウも誰かを好きになったりとかするのかな?
「ねえ、伊崎君」
部活の練習が終わり、帰る準備をしていると市川さんがコウに話しかけていた。
な、何を話しているんだろう?
「休みの日に部活が終わった後、普段どんなことしているの?」
「うーん、特に何もないかな。家帰ってゲームしたり動画見たりだけど」
コウの答えを聞いてパッと市川さんの表情が明るくなったのがわかった。
「じゃあさ、今日この後二人でどこか出かけない? すごく美味しそうなケーキ屋さんを見つけたんだよね」
こ、これはもしかしてデートの誘いってやつ?
っていうか今日はこの後、コウとテニスの特訓の約束をしているんだけど。
コウ、このまま流れで市川さんとデートに行かないよね?
私がハラハラしていると「悪い、今日はこの後予定あるから」とコウがバッサリ断った。
ちらっとコウが私の方を見て目が合う。
よかった。今日の特訓のこと、覚えていてくれたんだ。
「じゃあ明日とかは?」
「明日は宿題やらないといけないんだ。それじゃあな」
「ちょっと待ってよ」
市川さんを置いてコウがグラウンドを出る。
コウと市川さんがデートに行かなくてホッと一安心だ。
……って、なんで私が安心なんかしているんだろう。
とにかく私も早く家に帰って特訓の準備をしないと。
「お、お疲れさまでした」
まるでコウを追いかけるかのように私も急いで学校の外に出た。
いつもなら部活の後は家に帰って昼寝をしたり宿題をしたりするんだけど。
今日はこの後、コウと特別特訓をするんだよね。
練習中、コウはいつも通りの爽やかな笑顔で汗を流していた。
先輩たちに混じってラリーやスマッシュの練習をしている。
「伊崎君ってすごいよね。テニスも上手くてあんなにかっこいいなんて」
市川さんが一年女子のみんなにそう言って回るのが聞こえる。
コウを好きなのがダダ漏れだ。
一年女子は私以外みんな初心者なんだけど、中でも市川さんが一番強いみたいな感じになっている。
「市川さんと伊崎君が付き合ったらお似合いなのにね」
「ええ、そうかな〜」
誰かがそんなことを言い、市川さんがまんざらでもない感じで答える。
コウが今まで誰かと付き合ってるとか聞いたことがない。
コウも誰かを好きになったりとかするのかな?
「ねえ、伊崎君」
部活の練習が終わり、帰る準備をしていると市川さんがコウに話しかけていた。
な、何を話しているんだろう?
「休みの日に部活が終わった後、普段どんなことしているの?」
「うーん、特に何もないかな。家帰ってゲームしたり動画見たりだけど」
コウの答えを聞いてパッと市川さんの表情が明るくなったのがわかった。
「じゃあさ、今日この後二人でどこか出かけない? すごく美味しそうなケーキ屋さんを見つけたんだよね」
こ、これはもしかしてデートの誘いってやつ?
っていうか今日はこの後、コウとテニスの特訓の約束をしているんだけど。
コウ、このまま流れで市川さんとデートに行かないよね?
私がハラハラしていると「悪い、今日はこの後予定あるから」とコウがバッサリ断った。
ちらっとコウが私の方を見て目が合う。
よかった。今日の特訓のこと、覚えていてくれたんだ。
「じゃあ明日とかは?」
「明日は宿題やらないといけないんだ。それじゃあな」
「ちょっと待ってよ」
市川さんを置いてコウがグラウンドを出る。
コウと市川さんがデートに行かなくてホッと一安心だ。
……って、なんで私が安心なんかしているんだろう。
とにかく私も早く家に帰って特訓の準備をしないと。
「お、お疲れさまでした」
まるでコウを追いかけるかのように私も急いで学校の外に出た。


