「あ、ありがとう。もう大丈夫だよ」
「そうか。じゃそろそろ行くか」
「行くってどこに?」
「どこって、茜の誕生日プレゼント買いに行くんだろ?前に一緒に買いに行こうって話てたじゃねぇか」
私は優君の言葉に記憶を辿った。辿って、ようやく辿り着いた。
「ああ!そうだった」
来月は茜さんの誕生日だから、プレゼント渡したいって優君に相談したんだった!んん?じゃあこれって、これってデートじゃない!?ただの買い物?しかも、私から誘ってるしっっ。
「さては、お前忘れてたな」
「わわ、忘れてはないです!茜さんには、日頃から私もまめ蔵もお世話になっているので」
「まぁいいけど。あっちに茜がよく行くって言ってた店があるから。行こうゼ」
でも、二人でお買い物は嬉しい。デートの予行練習だと思えば・・・。うん。悪くない!!
信号待ちをしていると、ショーウィンドウのガラスに自分と優君の姿が映った。
「ねぇねぇ今日の服どうかな?似合う?」
「なっ、なんだよいきなり」
「今日のために、レナと一緒に選んだの」
「はぁ?」
信号が青に変わって、周りが動き出した。顔を背ける優君の前に立ち、覗き込もうとした。でもキャップを被っているせいで、いつも以上に表情がわかりにくい。
「似合ってる」
「えっ?」
「だいたいなに着たって似合うだろ。お前は」
キャップを深くかぶり直す優君の顔は少しだけ赤くなっていた。でも、きっと私の方が赤い・・・。だって、心臓がこんなにも煩い。
「もっもう一回言って!」
「はぁ!?もう言わねーって」
「今言ってくれたのに。私、もっと優君に褒められたい」
「・・・っ」
「ダメ?」
優君は私を引きずるように前に進んでいく。
もう一回くらい、言ってくれてもいいのに。でもそれが優君っぽいかな。
茜さんが好きだという店にやって来た。店中に入ると「いらっしゃいませ」と店員さんが私たちに気づいたらしく声をかけてくれた。オルゴールの音色が聞こえてくる。小さな北欧雑貨がたくさん置いて、アロマの優しい香りが店内に満ちていた。
「茜さんなにがいいかな?」
「なんでもいいと思う。あげれば喜ぶから」
「う~ん。そうだな、無難だけどマグカップとかいいかな?何個あっても使えるし、あっこれ見てかわいい」
丸みを帯びた形のマグカップを手に取った。この色、茜さんっぽいなぁ。
「うん。茜っぽい」
「だよね。あっこれ!!」
一度店内を回って、他にも可愛い物がたくさんあった。最初に見たマグカップに二人ともしっくりきたので、それとハンカチを送ることにした。会計を済ませ、ラッピングしてもらうことにした。店内で待っていると、犬のブレスレットに目が留まった。
「うわぁ、可愛い。まめ蔵に似てる」
「マメシバってだけだろ」
「でも、ほら!この鼻の辺りとか」
「お客様、お待たせしました」
店員さんの声に、ブレスレットを売り場にもどした。商品を確認すると、とっても可愛くラッピングしてくれた。
優君と一緒にお買い物なんて初めて。茜さん喜んでくれるといいな。
「ありがとうございましたーまたお待ちしております」
「可愛いプレゼントの買えてよかったね」
「あぁそうだな」
お店を出ると、前から高校生くらいのカップルが歩いて来た。腕を組みながら仲睦まじく歩いている。
「ねぇ優君はどんな女の子が好き?」
「なんだよ急に」
「聞いたことなかったから。どんな子がタイプなのかなって」
「そんなの聞いてどうするんだよ」
「私もそこに近づきたい!優君の理想とする女の子になりたいの」
「・・・必要ねーって」
思わず足を止めていた。私とは対照的に優君の歩くスピードは速くなっている。
必要ないって、どういうことだろう。私またから回ってるのかな・・・。気持ちが目に見えたらいいのに。そうしたら、こんなに苦労することもなくなる。
「そうか。じゃそろそろ行くか」
「行くってどこに?」
「どこって、茜の誕生日プレゼント買いに行くんだろ?前に一緒に買いに行こうって話てたじゃねぇか」
私は優君の言葉に記憶を辿った。辿って、ようやく辿り着いた。
「ああ!そうだった」
来月は茜さんの誕生日だから、プレゼント渡したいって優君に相談したんだった!んん?じゃあこれって、これってデートじゃない!?ただの買い物?しかも、私から誘ってるしっっ。
「さては、お前忘れてたな」
「わわ、忘れてはないです!茜さんには、日頃から私もまめ蔵もお世話になっているので」
「まぁいいけど。あっちに茜がよく行くって言ってた店があるから。行こうゼ」
でも、二人でお買い物は嬉しい。デートの予行練習だと思えば・・・。うん。悪くない!!
信号待ちをしていると、ショーウィンドウのガラスに自分と優君の姿が映った。
「ねぇねぇ今日の服どうかな?似合う?」
「なっ、なんだよいきなり」
「今日のために、レナと一緒に選んだの」
「はぁ?」
信号が青に変わって、周りが動き出した。顔を背ける優君の前に立ち、覗き込もうとした。でもキャップを被っているせいで、いつも以上に表情がわかりにくい。
「似合ってる」
「えっ?」
「だいたいなに着たって似合うだろ。お前は」
キャップを深くかぶり直す優君の顔は少しだけ赤くなっていた。でも、きっと私の方が赤い・・・。だって、心臓がこんなにも煩い。
「もっもう一回言って!」
「はぁ!?もう言わねーって」
「今言ってくれたのに。私、もっと優君に褒められたい」
「・・・っ」
「ダメ?」
優君は私を引きずるように前に進んでいく。
もう一回くらい、言ってくれてもいいのに。でもそれが優君っぽいかな。
茜さんが好きだという店にやって来た。店中に入ると「いらっしゃいませ」と店員さんが私たちに気づいたらしく声をかけてくれた。オルゴールの音色が聞こえてくる。小さな北欧雑貨がたくさん置いて、アロマの優しい香りが店内に満ちていた。
「茜さんなにがいいかな?」
「なんでもいいと思う。あげれば喜ぶから」
「う~ん。そうだな、無難だけどマグカップとかいいかな?何個あっても使えるし、あっこれ見てかわいい」
丸みを帯びた形のマグカップを手に取った。この色、茜さんっぽいなぁ。
「うん。茜っぽい」
「だよね。あっこれ!!」
一度店内を回って、他にも可愛い物がたくさんあった。最初に見たマグカップに二人ともしっくりきたので、それとハンカチを送ることにした。会計を済ませ、ラッピングしてもらうことにした。店内で待っていると、犬のブレスレットに目が留まった。
「うわぁ、可愛い。まめ蔵に似てる」
「マメシバってだけだろ」
「でも、ほら!この鼻の辺りとか」
「お客様、お待たせしました」
店員さんの声に、ブレスレットを売り場にもどした。商品を確認すると、とっても可愛くラッピングしてくれた。
優君と一緒にお買い物なんて初めて。茜さん喜んでくれるといいな。
「ありがとうございましたーまたお待ちしております」
「可愛いプレゼントの買えてよかったね」
「あぁそうだな」
お店を出ると、前から高校生くらいのカップルが歩いて来た。腕を組みながら仲睦まじく歩いている。
「ねぇ優君はどんな女の子が好き?」
「なんだよ急に」
「聞いたことなかったから。どんな子がタイプなのかなって」
「そんなの聞いてどうするんだよ」
「私もそこに近づきたい!優君の理想とする女の子になりたいの」
「・・・必要ねーって」
思わず足を止めていた。私とは対照的に優君の歩くスピードは速くなっている。
必要ないって、どういうことだろう。私またから回ってるのかな・・・。気持ちが目に見えたらいいのに。そうしたら、こんなに苦労することもなくなる。


