「あと1週間だろ、頑張れ」
「無理や」
「一緒に進級するやろ?」
「できたら、いいな」
「願望やめろ」
言葉は無糖なのに、頭を撫でている手は砂糖。こうゆう所に心がジーンとする。
無意識にやるから、この人たらしが。
「じゃあご褒美ちょうだい」
「なんだそれ」
「ご褒美あったら少しは頑張れるかも」
「……じゃあなに。ご褒美何が欲しいの」
「5教科満点とったら友達なって」
なんて言ったら「お前、こんなにアホだったっけ?」なんて表情でこっちを見下ろしてくる。残念ながら本気なんだけどね。
「なに、友達って」
「学校でも、家でも、いつでもどこでもお話できるお友達。なってよ」
「……まぁー、いいよ」
この時、秋人くんは絶対5教科満点なんて無理だと思っていたはず。わたしだって賭けだったもん。
それでも、今、わたしたちの目の前に広がっているテスト結果が全ての答えであるのだ。



