思わず走り出した。
秋人くんは砂糖みたいに優しいから、なんかじゃこんなの納得できない。
ローファーに履き替えて、体育館裏を目指して飛び出した。雨なんか見えてなかった。傘なんてさしてる余裕もなかった。
そのまま雨に濡れる覚悟で飛び出した直後だった。
「――っ!」
「何してる!」
ガバッと後ろから包み込まれて、体が半分屋根からでてる状態から勢いよく屋根下に戻された。
「まさか雨の中傘もささずに出ようとしたとか言わないよね」
抱きしめてくれているのは秋人くんだった。
いつもは知らない冷たい声。これが噂の無糖秋人くんなのかな。
でもこれも、無糖なんかじゃ説明できないぐらい優しさがこもってて胸が痛い。
秋人くんを見ようと1回離れたら、ずぶ濡れの秋人くんがいて、色々言いたいこととかあったけどそんなの全部飲み込んで抱きついた。



