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「うそ、ない……」
ある日、いつもポケットに入れているリップがなくなっていた。どうやら落としてしまったみたい。
考えられるとこと言ったら、係の仕事で行った体育館裏ぐらい。
急いでかばんに荷物を詰めて、ホームルームが終わったら、一目散に教室を出た時。
ドフン!って人にぶつかった。
それも最近嗅いだことのある柔軟剤の匂いで、上から「何慌ててるの?」なんてこれまた聞いたことのある声が降ってくる。
慌てて見上げたらやっぱり秋人くん。
なんて運が悪いんだ、なんて思いながらも事情を説明した。
「は?落し物探しってこと?」
「そう!大事な物なの!!」
「いやいや、待てって」
少しパニックになってるわたしの肩に両手を置いたら、そのままクルって体が窓へと向けられる。
そして「よく見ろ」と窓を見たら。
「この雨で探すとか許さないから」
「雨だ……」



