ステラとさよならをすると、こんどはふたりの前に、やさしいあさひがのぼってきました。
「わあ……あたたかいね」
「さっきまでいたほしぞらとは、ちがうね」
あたりを見まわすと、色とりどりの花がいっせいにひらいていました。
そよそよとふくかぜは、花のかおりをはこんできます。
「星空にはなかったものが、ここにはあるんだね」
「でも、ここをとおらないとダンスホールにはいけないみたい」
すると、ふたりのまえに花びらがおちてきました。
「あ! なにかかいてある!」
「ぜんぶあつめたら、どこにいけばいいかわかるかもしれないわ」

はなのアーチをくぐろう

「アーチはあそこにあるね!」
「ほしもまざっててきれいよ」
ふたりはしぜんと、おどりながらアーチをくぐりました。
「なんだかここにいると、楽しいことばかりだわ」
「わたしたち、れんしゅうでだいじなことをわすれていたのかも」
「ちゃんとおどらなきゃって、そればかりだったもんね」
「ええ、いまなら心がうごくままにおどれそう」
アーチをくぐると、そこにはひろいお花ばたけがひろがっていました。
花びらがひとひら、またひとひらと風にのってまいあがります。
「おどってるみたいだね!」
「ほんとだ。わたしたちをまねしてるのかも」
ふたりは花びらといっしょに、くるり、くるりとまわりました。
すると!
花びらがあつまって、大きなハートの形をつくったのです。
「わあ、すごい!」
「もしかして、つぎの道をおしえてくれてるのかな?」
ふたりがそのハートに近づくと、光のリボンのような道がスーッとのびていきました。
「いってみよう!」
ふたりは手を取りあって、花びらのリボンをたどりながら、あたらしい場所へとすすんでいきました。