右の方向へ、ひたすら走るリンとメリー。
すると、大きなお城があらわれました!

「こんなお城、山になかったはずなのに! これも怪盗ニョロロの魔法なの?」
「そう。怪盗ニョロロはパワーアップしている……!」

まるで夜のやみをあつめたような、真っ黒なお城。
空もうす暗くて、とてもぶきみでしたが、リンとメリーは手をつないで進みます。
がんじょうそうな門が見えてきました。
門の前には、オオカミがふたり立っていました。
怪盗ニョロロと同じ、灰色のマントをつけています。

「われらは門番。ここは怪盗ニョロロさまの城だ」
「中には入らせんぞ!」

門番たちは、ガオーと大きな口をあけて、おどかします。

「どうしよう……」

これまでのように元気や知恵でとっぱできそうにありません。
ですが、メリーはふてきに笑いました。

「あの門番たちのことはよく知ってる。まかせて!」

メリーはリボンを空に投げました。
むらさきのリボンです!

「シュルリルリルリ、リボンよ、わたしの『かわいさ』をひきだして!」

リボンからラメのようなキラメキがはなたれて、リンとメリーをつつみこみました。
まきついたリボンはあざやかにチェンジし、ふたりを変身させました!