タヌキさんの言うとおり、つぎに出会ったのはキツネさんです。
怪盗ニョロロの行き先をききますが、キツネさんは長いおひげをなでて、

「わしはクイズが大好きなんじゃ。おぬしたちの知りたい答えはこの紙にある。ときあかしてみせよ」

と、1枚の紙をわたしてきました。
それはクロスワードパズルでした。


怪盗ニョロロが向かった方向は、『  』
※かならずカタカナで書くこと!

タテのカギ
①カカオ豆から作る甘いお菓子
②キではじまってキでおわる、木をつっつく鳥
③赤い果物。青森県が有名
④魚の王さま。「エビで〇〇を釣る」
⑤色。英語だとホワイト
⑥おもちにかける粉。大豆からできる

ヨコのカギ
①5月の子どもの日に食べる和菓子
②小さくて黒い虫。「〇〇とキリギリス」
③魚のフレーク。「〇〇マヨのおにぎり、おいしい!」
④冬に使う、ふとんをかぶせたテーブル
⑤クーラーから出る、つめたい空気
⑥剣道で使う、竹でできた刀
⑦つぶつぶの黄色い野菜。よくポタージュスープになる

マスの中に、クイズの正解を書きいれます。
星のマスのふた文字が答えのようです。

「むずかしそう……」

メリーがひるみます。
けれどリンは、ランドセルからえんぴつを出しました。

「だいじょうぶ! わたしたちならできる!」

リンのはげましに、メリーはうなずきました。
どんなにむずかしそうなもんだいでも、ひとつずつ、ていねいに向き合っていけば、かならず答えは出るのです。

「できた!」


時間はかかったけれど、ついにぜんぶのマスをうめました。
ですが……?

「ナロ?」

星のマークのマスにはいる文字は、ナとロ。
なんのことか、わかりません。

「知りたいのは方向なのに……」
「どこかまちがったのかな?」

メリーが不安になります。
リンもわかりません。

「ヒントをください!」
「フォッフォッフォッ、しかたないのぅ。もんだい文をよーく読んでみなさい」

ふたりはパズルのもんだい文をじっくり読みます。

『※かならずカタカナで書くこと!』

リンはしばらくかんがえました。
『ナ』と『ロ』を見つめつづけると……?

「メリー、わかったよ! これは合体文字なんだ!」
「合体文字?」
「うん! よく見て。ナとロを合わせると……?」
「あ! 『右』という文字になる!」
「つまり、怪盗ニョロロは右に行ったんだ!」

キツネさんはニッコリ笑いました。

「せいかいじゃ、フォッフォッフォッ」
「やったー!」

ふたりはよろこびのハイタッチ!

「おぬしたちなら、なにがあってもだいじょうぶじゃ。たのしかったぞ」

キツネさんはドロンと姿を消しました。