つぎに出会ったのは、3匹のタヌキさんです。

「あやしい人かげを見なかった?」
「怪盗ニョロロといって、どろぼうなの!」

同じようにたずねますが、タヌキさんはニンマリと笑いました。

「おしえてもいいけど、ひとりしか正しいことを言わないよ」

ぽんぽことおなかをたたくタヌキさんたち。
どうやらタヌキさんたちは、少しいじわるみたいです。

タヌキA:「怪盗ニョロロは、右の森に行ったよ」
タヌキB:「怪盗ニョロロは、左の森に行ったよ」
タヌキC:「ぼくのとなりにいるタヌキは、ウソつきだよ」

「ええ? わからない……」

リンは頭がぐるぐるして、パニックになりました。
メリーはオロオロしましたが、またポフンと手をたたきました。

「またリボンの力をかりましょう!」

こんどは青いリボンです。

「シュルリルリルリ、リボンよ、わたしの『知恵』をひきだして!」

青空に青いリボンがぱあっと広がり、水しぶきが起こります。
リボンがリンとメリーをつつみこみます。
ふしぎなことに、気持ちもおちつきました。
まるでお水でひやされたみたいです。

「メリー。ひとつずつ考えてみよう」
「うん。まず、正しいことを言っているのはひとりだけ」
「タヌキAさんは、『右に行った』」
「そしてタヌキBさんは『左に行った』、タヌキCさんは『となりのタヌキはウソつき』」
「ということは……」

ひらめきました!

「正しいのは、タヌキBさんだ!」
「怪盗ニョロロは、左の森に行ったんだわ!」

ふたりは答えをみちびきだしました。
パチパチパチ! タヌキさんたちは拍手かっさい。

「せいかい!」
「すごいね、きみたち!」
「名コンビだよ!」

ほめられて、ふたりはおたがいを見合わせました。
えへへ、と小さく笑いあいます。
さっそく左の森に行こうとしますが、

「気をつけてね。この先にいるキツネは、もっといじわるだから」

タヌキさんたちは心配そうでした。