「ごめんなさい〜〜! ピンクのリボンがあまりにキレイだったから、どうしてもほしくなっちゃったんです〜〜!」

グスングスンと泣きじゃくる、怪盗ニョロロあらためコグマ。

「もう! リボンキングダムにもどったら、あなたのパパとママも呼んで、おせっきょうだからね!」

メリーはプンスカとごりっぷく。
リンは力が抜けて、見守るしかありませんでした。
ぶじにピンクのリボンをとりもどし、メリーはリボンキングダムに帰ることになりました。
空は夕日にそまり、さよならの時間です。

「リン。これ、あずかっておいて」

メリーがわたしたのは、ピンクのリボンでした。

「でも、大切なものなんでしょ?」
「そうだけど、リンと出会ってわかったの。リボンがなくてもひきだせるんだって」
「なにを?」
「『やさしさ』よ。リンのやさしさがわたしをたすけてくれたの!」

ピンクのリボンがひきだすのは、『やさしさ』。
けれど、いつでもだれでも、そのパワーを使えるのです。

「また会うときまで持っていて、リン!」
「うん! またね、メリー!」

グラデーションの空にかかった虹をわたって、メリーはリボンキングダムにもどっていきました。
けれどリンの手には、約束のリボン。
リンとメリーをむすぶ、きずなという名前のリボンは、けっして消えないのです!