マイクとマウンド、夢の向こうへ

マウンドに立ったヨッシーは、深明の提案通りに腕のタイミングを少し早める。

 横には学園が導入した最新の投球解析マシンが稼働している。

 画面に表示されるのは、ヨッシーの投球軌道や回転数、球速だ。

「よし……

ここで腕を少し早めて……」

ヨッシーは息を整え、マシンに向けてスライダーを放った。

 ボールは軌道を描きながら空を切り、捕手のミットに向かう寸前、打者の手元で鋭く沈む。


回転数の増加に、角度の変化。
 
打者が空振りした瞬間――

 数値とグラフで鮮明に映し出される。

「……完璧だ」

ピッチャーゴロではなく、打者は空振り。

 データ通りの結果に、深明は思わず小さくガッツポーズを作った。

「やった…!」

マシンの数値と現実の結果が一致したことに、二人は目を合わせ、ほっと笑みを交わす。

 ヨッシーは汗を拭いながら振り返り、深明に向けて言った。

「深明、これ、すごいな。

 数字でここまで具体的に改善できるなんて。

 ありがとう」

 マウンドから戻ったヨッシーの隣。