マイクとマウンド、夢の向こうへ

「……よし、分かった。

 やってみる」

 ヨッシーは深明の指摘通りにフォームを微調整する。

 踏み出しのタイミングを少し後ろに、腕の振りを一定に。
 リリース直前の指の角度も意識する。

初めはぎこちなさもあった。


 数球投げるうちに球威が増し、回転も安定する。

 コツを掴むのが普通の高校生より格段に速い。

 さすが、エースと呼ばれる男なだけある。

「……うん。

 いい感じだ」

 つぶやきとともに、ヨッシーの目にわずかに笑みが浮か
ぶ。

深明もベンチから、何度もデータを確認しながら小さく頷く。

 「その調子、その調子……!

 うん!いい感じ!

『"ナイスピッチ"だね、ヨッシー!』

 深明の笑顔が弾けるのを、ヨッシーは眩しそうに見つめていた。