マイクとマウンド、夢の向こうへ

図書室の奥。

 長机を囲むように、加害者と関係者たちが座っていた。
空気は重く、誰も目を合わせようとしない。

 担当は、臨床心理士・道明(深明の父)と精神科医・深月(深明の母)。

壁際には、巽先生と保健の先生がオブザーバーとして立ち会っていた。

 机の中央には、復旧されたレポートの一枚が置かれていた。

深明が夜を徹して書いた、ヨッシーのフォーム分析。

その紙が、誰よりも静かに場を支配していた。

 道明が、ゆっくりと口を開く。

 「この紙は、秋山深明が誰かのために残した記録です。
 たった1枚しか残らなかった。
 でも、この1枚に、彼女の“支える力”が詰まっています」

 誰も、すぐには反応しなかった。
沈黙が、机の上に降り積もる。