マイクとマウンド、夢の向こうへ

その声は、震えてはいなかった。

 でも、少しだけ、呼吸が浅くなっていた。

 瞳は潤んでいて、今にも涙が零れそうだった。

それでも、深明は笑おうとした。

 ——泣きたくない。

でも、本当は泣いてしまいそう。

 その狭間で、彼女はほんの少しだけ唇を噛んだ。

ヨッシーは何も言わず、深明の手をそっと握った。

 その手の温度が、彼女の胸の奥に静かに染み込んでいく。

「俺、あいつらのこと、許すつもりはない。

 でも、深明が傷つくのは、もっと嫌だった」

深明は、ヨッシーの胸元に額を預けるように寄り添った。

 その距離が、言葉よりも強く、安心を伝えてくる。

「……大丈夫。

 私は、ヨッシーがいてくれるから、大丈夫。

 ちょっと、泣きそうだったけど」

ヨッシーは、深明を無言で抱き締めた。

 まるで、「泣いていい」と言っているようで。

静かに、深明の瞳から雫が落ちた。

それは、悔しさと、安心と。

 全部を含んだ涙だった。