マイクとマウンド、夢の向こうへ

やがて、直斗の手が、麗菜の鎖骨をなぞった。

「いい……よ?
 なおと……だもん。

 優しくしてくれる、って信じてる」

 直斗を上目遣いで見る、潤んだ瞳。

 麗菜に深く口づけながら、そっと浴衣に、手をかけた。

 下着の上から膨らみに触れると、麗菜の口から甘い吐息が漏れ出た。

「こえ……でちゃ……」

「いい声してるから、俺だけに、もっと聞かせて?」

 太腿の奥へと、手が伸びた。

「っ、あっ……」

「甘くて、いい声。
 可愛い」

 既にしっとりとしている。
 
充分に、受け入れる準備は整っていそうだ。

 準備をしてから、ゆっくり腰を沈めた。

 夜の深さに包まれながら、愛しさと熱が交差する。

満たされるまで、ふたりは何度も、名前を呼び合った。

 
卒業式の日――
学園近くの公園で、麗菜を見つけた直斗。

 人目もはばからず、彼女をそっと抱きしめた。

 「一緒にいてくれて、本当に嬉しい。

 君がいなかったら、高校生活、こんなに充実しなかったよ。

 離れても、好きだよ。

 麗菜」

 「……私もです」

 
卒業の季節。

 冬は終わりを告げ、春の足音がすぐそこにあった。

 深明も、麗菜も、それぞれの心に新しい始まりを抱えながら。

 恋と夢、そのふたつを両手に携えて、確かな歩みを進めていく。