マイクとマウンド、夢の向こうへ

「ヨッシーこそ、ずるいよ……
 どんどん好きになっちゃうじゃん……」

「ん?
 それでいいよ。

 俺のほうが深明のこと、大好きなんだけどな。

 でもさ……今の深明、反則すぎて、俺ほんと余裕ない」

 ヨッシーは、深明の頬に手を添えた。

 その瞳は、熱を帯びていて、どこか切なげだった。

「深明も、もっと俺に夢中になってくれる?」

十分好きなんだけどな、という気持ちを、ヨッシーへの口づけに込めた。

唇が重なった瞬間、ヨッシーの腕が深明の背にまわる。

 抱き寄せる力が、さっきよりもずっと強くて、迷いがなかった。

深明は、ヨッシーの胸元にそっと手を添えた。

 その鼓動が、彼女の指先にまで伝わってくる。

 早くて、熱くて、まるで彼の理性が限界を告げているようだった。

「……深明、ほんとにいいの?」

ヨッシーの声は、かすれていた。

 目を伏せながらも、彼女の表情を探るように見つめてくる。

深明は、静かに頷いた。

 「……うん。
 ヨッシーとだから、いいの」

その言葉に、ヨッシーはもう何も言えなかった。

 ただ、深明をそっとベッドへ導く。

 指先が触れるたび、彼女の肌が震える。

 その震えは拒絶ではなく、期待と緊張が混ざったものだった。

暖炉の火が、ふたりの影を壁に揺らす。

 その夜、ふたりは初めて恋人として、心も身体も重ねた。
言葉よりも、触れ合う温度がすべてを語っていた。