マイクとマウンド、夢の向こうへ

そして──2日後。

 空港の国際出発ロビー。

 渡米を前に、深明とヨッシーは、大きなキャリーケースをそれぞれ引きながら、ゲートに向かって歩いていた。

 ヨッシーは、シンプルな黒いTシャツにジーンズ。

 深明は、ミントグリーンのブラウスに、チャコールグレーのチュールスカート。

 足元は白いスニーカーだ。

「はい、もう一枚!

 笑って!」

 「あ、道明が入らない!

 深明、もうちょっと寄って!」

「さっきから、何枚撮ってるのよ!
 もう、いいかげんに行かないと……!」

「次の帰国は成人式の頃かしらね?

 それまで、可愛い娘を写真でしか見られないんだから、撮らせなさいよ」

両親がスマホと一眼レフを交互に構え、パシャパシャとシャッターを切っていた。

 隣にいたヨッシーは、その様子を見て肩を震わせながら笑っていた。

 その彼自身も、両親の前に立つ。

 母に涙を流され、父に力強く抱きしめられていた。

「……元気でな、芳尚」

 「うん……ありがとう。

 オヤジも、おふくろも。
 元気でな」