マイクとマウンド、夢の向こうへ

髪を乾かすためにドライヤーを手にすると、ヨッシーが隣で自然に座っている。

 ふたりの間に、言葉にせずとも通じる空気が流れる。

 
 まだ髪が濡れている深明の髪に、そっとドライヤーを当ててくれたヨッシー。

「……こんな時間に女の子を一人で帰すんじゃないって、親父に説教されたよ」

「……そうなの?

 何か、部外者の私がいると悪いと思って」

「いいって。

 もう、家族みたいなもんだろ」

 ――家族。

 将来を予感させる単語に、深明の胸の鼓動が早くなった。

手と手がそっと触れ合い、互いの存在を確かめ合うように静かに時間が流れる。
 
「……夢、怖くない?」

「めちゃくちゃ怖い。

 でもな、それ以上に……

 深明と一緒にいる未来のほうが、見たい」

「……ずるいよ、そんなの」

「なにが?」

「ヨッシーがいないと生きていけなくなりそうなくらい、
 好きになっちゃうじゃん」

「ダメなの?
 好きに、なってよ」

「好きだよ。
 この先も、ずっと。

 嫌いになんて、なれない」