マイクとマウンド、夢の向こうへ

道明も笑いながら付け加えた。

 「迷惑なわけないだろ。

 むしろ……誇らしいさ。

 夢にまっすぐな娘を、全力で応援できるのは、親冥利に尽きる。

いいんだよ。

 夢なんて、変わって当然さ。

 大事なのは、自分の気持ちに従って進むことだ。

 ……深明。

 お前は、いつだって全力で挑む娘だった。

 それに、隣に支えてくれる人がいるなら、それはもう誇らしいことだろう?」

深明はじわりと涙をこらえながら、二人の目を見た。

 「……お父さん」

深月は背中に手を添え、いたずらっぽく笑った。

 「でもまあ。

 あっちの球場で“あの子が私の娘です”って言う準備はしておかなきゃね。

 今から英語の発音練習しとく?」

「ちょ、ちょっとお母さん!」

3人の笑い声が、夜の静かなリビングに広がった。

 夢を語れる場所が、ここにある──。

  そして、それを受け止めてくれる人たちがいることが、深明の背中を押した。