マイクとマウンド、夢の向こうへ

深月と道明は、黙って頷きながら聞いていた。

「応援したいだけじゃなくて……私も、ヨッシーと一緒に夢を叶えたい。

 でも、それって──

 現実的に考えてないって、思われないかなって……
迷惑かなって……

それに、私が小さい頃、お母さんとお父さんに実況やりたい、って言ったの、覚えてる。

 夢も、あのときとは変わっちゃった。

 今は、アナリスト。

 それで、本当に向こうでやっていけるかな、って、不安で……」

深明の声は自信なさげに、すぼまっていく。

深月がすっと立ち、そっと深明の隣に座った。

 「バカね、もう」

 とてもやさしい声だった。

「あなたは、自分の力でここまで来たのよ。

 “隣にいたい”って思えるほど、大切な人がいること。

 それも全部、あなたの人生の“答え”なのよ。

夢を追う姿。

 誰かを愛せる心。

 どちらも、とっても大事なものだわ。

 その気持ちを大事にするの。

 行ってきなさい、深明」