ふたりは肩を並べて椅子に腰を下ろし、画面に流れる試合映像へと目を戻す。

 投手の投球、打者の反応、試合の流れ。

 ヨッシーは顎に手を当てながら、時折、思いついたようにぼそっと口を開いた。

「ここ、捕手のリードがワンパターンすぎるな」

 「この先発投手。

 序盤、球数使いすぎてる。

俺も参考になるわ。
 
向こうで投げるとき、こういう視点が必要になるかもな」

深明はその言葉を逃さず、ノートに走り書きしていく。

 「……ほんとだ。

 ヨッシー、ありがと」

 そのまま、深明はヨッシーに顔を近づけると、そっと唇を重ねた。