翌日。

 夕日が差し込む時間帯。

 深明はノートパソコンの前に座っていた。

 USBメモリーから取り込んだ、MLBの
 試合映像。

 勝敗の差を探ろうと、目を皿のようにして画面を見つめていた。

「勝った試合と負けた試合……
 同じチームでも、こんなに違うんだ……

 数字だけじゃなく、選手の“迷い”が映像に出るんだな」

ペン先で紙に走らせたメモを見つめていると、ガラリとドアが開く。

 ふらりと姿を現したのはヨッシーだった。

「深明がここでレポート書いてる、って聞いてな」

彼は机に無造作に鞄を置き、コンビニ袋をガサゴソと取り出す。

 出てきたのは、冷たいミルクティーと、コンビニのロールケーキ。

「……頭、使いすぎると糖分足りなくなるだろ。

 ほら」

 無造作に差し出され、深明は思わず小さく笑った。

 スイーツのセレクトも、深明の好みをしっかり分かった上でのものだった。

 「……ありがと。

 ヨッシーが来ると、ちゃんと息抜きできる」

「恋人の特権だからな。

 お礼は、キスでいいよ?」

「……もう。
 後で、ね?」