マイクとマウンド、夢の向こうへ

深明は、迷いを隠せずに言った。
 
「……ふたりで、アメリカ行きたい。

 ヨッシーと一緒に行ければ、向こうでも寂しくないな、って。

 でも……私、ヨッシーの足枷になっちゃうかもしれない。

 邪魔だと思ったら……いつでも、手を離していいから」

 その言葉を、言い終わる前に。

 深明の身体が、強く抱き寄せられた。

 背中に回る逞しい腕。

 耳に届くのは、ヨッシーの早い鼓動だけ。

「……前に言ったろ、深明。

 離してって言っても、離さねぇ、ってよ。

 深明は、俺だけ見てろ」

 わずかに身体が離れた瞬間、唇が重なった。

 1回では足りず、確かめ合うように何度も重なる。

 夕陽の光が傾く中、ふたりは時を忘れて、ただ互いの存在を確かめ続けた。