マイクとマウンド、夢の向こうへ

自分だけの学びが目の前にあることに、深明は胸を高鳴らせた。

 “自分の視点が、海の向こうで届いていた”──

 その事実が、何よりも誇らしかった。

 これは、ただのチャンスじゃない。

 “誰かが、自分の心の読み方に価値を見出してくれた”という証だった。
 
ダニーは深明に微笑みながら言った。

 「君にひとつ、伝えておきたい。

 君は、Texas Southwest University の正規の学生というわけじゃない。

 大学に在籍する正式な生徒ではないけれど──

 学習の機会だけを特別に与えられた、外部参加者として扱われるんだ。

 実際の滞在には、留学ビザや短期滞在ビザを使うことになる。

 正規の学生ビザとは違うから、学位を取ることはできない。

 でも安心してほしい。

 授業も設備も、大学の生徒と同じ環境で学べる。

 君の能力を伸ばすには十分だよ」


 ダニーは微笑んだまま、深明の前に小さなUSBメモリーを差し出す。

  「さて、こちらが君の今の分析力を確認するためのテスト用データだ。

 中には、レギュラーシーズンの勝敗試合の映像と、マイナーでの試合記録が入っている」

深明はそっと手を伸ばし、USBを受け取る。

 手に伝わる冷たさ。

 未来が動く予感が、胸の奥の緊張をさらに引き立てた。