マイクとマウンド、夢の向こうへ

その後の投球に影響はすぐに現れる。

 普段の鋭く伸びるストレートはわずかに沈み、腕の振りもいつもより低くなる。

 カーブやスプリットも決まりきらず、制球は甘くなっていた。

際どいコースを狙ったはずの球が外角に抜けることもあった。

ベンチからの降板を求める合図も、ヨッシーには届いていないようだった。

彼は投げ続けた。

 チームの未来のために、仲間のために。

そして──深明のために。


 深明はノートを胸に抱え、必死にヨッシーの球種や打者の動きを書き留め続けた。

 だが、胸の奥の締め付けはどうにもならなかった。

 視界の端でヨッシーの姿を追う。
そのうちに、彼女の目から一滴、また一滴と涙がこぼれる。

踏み込んだ右足をわずかにひねったあの瞬間が、深明の脳裏に鮮明によみがえる。