マイクとマウンド、夢の向こうへ

灼熱の太陽がグラウンドを照らす中、夏の県予選は佳境を迎えていた。

最高気温は35度を超え、選手たちの体力を容赦なく奪う。

マウンドに立つのは、斎藤芳尚──ヨッシー。

最速155キロを記録したストレートは打者のバットを弾き返すように鋭い。

最後の打者はほんのわずかに遅れて反応し、空振り三振。

観客席からも、どよめきが上がった。

「155キロ!

「得意のストレートで仕留めましたね。

斎藤選手、見事な投球!」
 

実況の声が思わず震える。

解説者も画面越しに身を乗り出し、目を見開いた。

「腕の振りがしっかり連動して、ボールに力が乗っている。

 打者も完全にタイミングを狂わされたかたちです」

SNSではすでに『剛腕の斎藤』がトレンド入りしていた。

ヨッシーは1回から7回まで自ら守り抜いたマウンドを降りた。