マイクとマウンド、夢の向こうへ

 6月。

 この日は、深明たち高校2年生のアメリカへの修学旅行の日だった。
 

「アメリカ、久しぶりー!
やっと着いたーー!」

麗菜、推し球団のキャップにサングラス。

 ブラウンのキャミソールワンピースに、シアー素材の白いカーディガンを肩にかけている。

 
「セレブ感、すごいよ?
 麗菜。

 誰かと思った……」

 「宝月財閥の娘な時点で、セレブではあるよな。
間違ってはいない」

「現地に着いたから、推しを掲げてぬい撮りは、マストでしょ!」

 麗菜は深明とふたりで、カバンにぶら下げたマスコットとともに、空港を背景にぬい撮り中だ。

 麗菜は、垂れた耳とふわふわに丸められたしっぽが特徴のマスコット。
 
深明は、白い毛並みと大きなリボンが特徴のマスコット。

 それぞれのぬいぐるみは、ストリートファッションに身を包み、スケボーを楽しんでいる。

 アメリカっぽいものは何だろうかと、ふたりで相談しながら決めて、持って来た。

 ぬいぐるみを掲げて、写真を撮ること数枚。

担任の、呆れたような声がかかる。

「もう、撮影は気が済んだか?

そろそろ移動するぞ、お前ら」

 担任が先導する後ろを、ヨッシーたちの後からついていった。