マイクとマウンド、夢の向こうへ

ある日の放課後。

野球部のマネージャーとしてグラウンドに向かった深明。

 その一角で、ブルペンで黙々と投球練習をしている男の子。

 ヨッシーだった。

 「フォームが完璧だし、体幹もしっかりしてる。

次期エースかな、ヨッシーは。

ずるいな。
昔より、カッコよくなっちゃって。

 ヨッシーのこと、好きになる人、出てきたら困るな」

 
ヨッシーの投球を見ていた先輩の噂話が、深明の耳に入った。

「まだ1年生なのに、すごい球投げるよな。
 あの子」

 「次期エース候補、って噂だよ」

ヨッシーに関するそんなポジティブな噂が、誇らしくなる。

 小さい頃から、彼の球筋やフォームなどを、細かく見ていた自覚はある。

 見ていて気がついたこと。
 良かったところや、改善点。

 それらをA4用紙枚分にまとめ上げ、ヨッシーに渡していた。

 今のヨッシーの一部は、深明によって培われたものだといっても過言ではない。

ヨッシーがここまでになったのは、深明自身も誇らしかった。