「何?被害者ぶってんじゃねえよ」


「……」


言い返せないまま泣きそうになるのを必死にこらえる。


「うぜえんだよそういうの、邪魔なんだよ」


黙っている私を見たあと、松原さんは水道の方へ行く。


バケツに水を入れてる…?なんで……


「うざいんだよ。これかけたら顔もぜーんぶぶっさいくになるね」


どうしよう。かけられる。何言えばいい?


「うざ。もういいよ」


そう言って私に水をかけようとする。


「きゃっ…!」


無意識に目をつぶると…


水が地面に落ちた音はしたのに水がかかってない?


目を開けるとそこにはびしょ濡れの神代君が居た。


「っ……神代君…?!」