女子嫌いなクール男子の溺愛。

「うるさいんだけど。どっか行ってくんない?」


低く強く怖い声でその子たちに言い返した。


「えっ、あー。すみませーん」


そのままその子たちは図書室を出て行った。


「…神代君、ありがとう」


「ん」


そう言って神代君はさっきと同じように私の肩に来た。


……顔だけかあ。


本を読んでいるような素振りをしているけど内容はほぼ頭に入っていない。


顔だけ、が頭に残る。


『可愛い』


顔しか見てないのかな。そういうものなの?


神代君が言ってくれる‘‘可愛い‘‘も顔?


その後チャイムの音さえも頭に入ってこなくて神代君に言われるまで気づかなかった。