「だから、せめて一週間に一日だけは好きなことをさせてって、パパにたのんで、アウロラ王国の広場でアイドルとして歌うことにしたの」
「でも、モエちゃんのパパって王さまだろ? よく許してくれたなー」
パンぞうにモエはうなずいて。
「あたし、昔から歌とダンスが好きだったの。だから、その上達のためなら、ってパパもなっとくしてくれたの。だけど、そのうちアウロラ王国の外でもアイドルやりたいな、って夢見てたら、あなたたちが空からやって来たってわけ♪」
と、うれしそうにほうきの上から、まわりの様子をながめました。
あんなに大きかったモエのお城が、にぎやかだった町並みが、今はとても小さく見えます。
さっきまであざやかなオレンジ色だった空は、濃いすみれ色に変わり、一番星がキラリ。
「飛んでるうちに、アウロラ王国からずいぶんはなれちゃったみたい。それに、すっかり日がくれちゃった」
どうしよう、これじゃ引き返すのはむずかしそうだな、とネルはつぶやきました。
「ネルは、夜空を飛ぶのまだなれてねーもんな。しょうがない、今夜はこのへんで休もうぜ」
パンぞうがそう言うと、ネルはすみれ色に染まった雲にハサミを向けました。
「なになに? どうするの?」
モエがワクワクと目をかがやかせました。
「そうだ、モエさんのぶんも必要だね」
はさみをていねいに動かして、チョキチョキ、チョッキン!
モフッ、モフッ。
ネルが切り取ったすみれ色の雲が、まるでクッションのようになって、ネルのもとに集まってきました。
「こいつをふとんにすればフカフカだぞ」
パンぞうが気持ちよさそうに雲の上に寝そべります。
「へぇー、これがあなたの魔法なのね! ステキじゃない♪」
モエも、とっても上きげん。
「でも、モエちゃんのパパって王さまだろ? よく許してくれたなー」
パンぞうにモエはうなずいて。
「あたし、昔から歌とダンスが好きだったの。だから、その上達のためなら、ってパパもなっとくしてくれたの。だけど、そのうちアウロラ王国の外でもアイドルやりたいな、って夢見てたら、あなたたちが空からやって来たってわけ♪」
と、うれしそうにほうきの上から、まわりの様子をながめました。
あんなに大きかったモエのお城が、にぎやかだった町並みが、今はとても小さく見えます。
さっきまであざやかなオレンジ色だった空は、濃いすみれ色に変わり、一番星がキラリ。
「飛んでるうちに、アウロラ王国からずいぶんはなれちゃったみたい。それに、すっかり日がくれちゃった」
どうしよう、これじゃ引き返すのはむずかしそうだな、とネルはつぶやきました。
「ネルは、夜空を飛ぶのまだなれてねーもんな。しょうがない、今夜はこのへんで休もうぜ」
パンぞうがそう言うと、ネルはすみれ色に染まった雲にハサミを向けました。
「なになに? どうするの?」
モエがワクワクと目をかがやかせました。
「そうだ、モエさんのぶんも必要だね」
はさみをていねいに動かして、チョキチョキ、チョッキン!
モフッ、モフッ。
ネルが切り取ったすみれ色の雲が、まるでクッションのようになって、ネルのもとに集まってきました。
「こいつをふとんにすればフカフカだぞ」
パンぞうが気持ちよさそうに雲の上に寝そべります。
「へぇー、これがあなたの魔法なのね! ステキじゃない♪」
モエも、とっても上きげん。



