「では、つぎはネル&モエのとうじょうです!」
 ステージにあらわれたふたりを見て、観客たちは、ん? と首をかしげました。
「この服って……」
「なんだ、いつものじゃないの」
 そう、ネルたちが着ているのはまっくろいローブととんがりぼうしにブーツ。
 魔法学校の制服でした。
「あらあら、完成が間に合わなかったのかしら」
 ネルの担任の先生も、心配そうにステージを見つめています。
 しかし、ネルたちはあわてることなく、サッと星型のペンライトを空高くかかげました。
「魔法をかけよう!」
「魔法をかけよう!」
 キラッと星型のペンライトがかがやくと、なんと!
 ふたりのかっこうがあざやかな虹のドレスに早変わり。
 とんがりぼうしは色とりどりの花のティアラに、ブーツは、クリスタルがきらめくバレエシューズに変わっています。
 リズミカルなメロディーとともに、ふたりは歌いおどりはじめました。

 いつもの自分に魔法をかけよう♪
 ヘコんだきもちも あっというまにニコニコ♪
 七色のドレスの すそをひるがえして♪
 キラキラシューズで ふわりとステップ♪
 お花のティアラをかぶれば だれもがプリンセス♪
 ちょうちょたちも いっしょにおどりましょ♪
 いっしょに楽しいひとときをすごそう♪ わたしたちミラクルエンターテイナー♪
 ふたりなら どんなことだってできちゃうの♪
 十二時のかねが鳴り終わっても しょげたりしないで♪
 おしゃれの魔法はずっと続くから♪

【ネルとモエのステージをおうえんしよう】
 ネルとモエのイラストにキラキラシールをはって、ふたりのステージを盛り上げよう!

 ふたりがくるっとターンして、もう一度星型のペンライトをかかげると、まるで、時が止まったかのようにしずかになりました。
 あれれ……わたし、なにかまちがえちゃったかな?
 ネルがハラハラしながら顔をあげると、
 次のしゅんかん、客席から盛大なはくしゅが巻き起こりました。
「ステキー!」
「ネル、やるわね! 見なおしちゃった」
「ドレスもパフォーマンスもサイコー!」
 次々とうれしいメッセージがとんできて、ネルの顔はポッと赤くなりました。
「やったね、ネル!」
 となりでは、モエがお日さまのような笑顔を浮かべています。
「モエ、わたし……」
「だから言ったでしょ? だれもネルにひどいこと言うひとなんていないわ。今のドレスを着ているネル、とっても幸せそうだもの。みんなが笑顔になるドレス、バッチリ完成できたわね」
「ありがとう、モエ!」
 ネルとモエは、ふたりとも青空のようにスッキリした気持ちになっていました。