今日はいよいよ魔法学校のファッションショーの日です。
会場は魔法学校の校庭にたてられた大ステージ。
すでにたくさんの観客で大にぎわい。
ふわふわシャボン玉でできたドレス。
天の河のようにきらめくジャケット。
ぼうしから、ワンピース、くつまで全部スイーツでできたコーディネイトなど、たくさんの力作がならびます。
「うわ~、みんなよくできてる」
ネルは舞台そでからステージのようすをドキドキしながら見守っていました。
「ネル、おちついて! そろそろ出番よ」
「うん……」
うつむくネルのかたに、ネルはポンッ! と手をおきました。
「だいじょうぶ、あたしがいるでしょ? まかせてちょうだい!」
「――ありがとう、モエ」
そうだよね、きっとうまくいく。
わたしはひとりじゃない。今はモエといっしょなんだから。
「あーっ、姫さまーっ!」
とつぜん、耳をつんざくような金切り声が聞こえました。
舞台そでに、目を三角にしたおばあさんと、兵士たちが飛びこんできたのです。
「ばあや! ここまで追いかけてきたのね」
「ええ、世界じゅうにそうさく隊をはけんして、ようやく探し出したのですよ。さあ、アウロラ王国に帰りましょう」
と、ばあやさんは兵士たちにモエをつかまえさせようとしました。
「待って! モエはわたしの友だちなの。らんぼうなマネしないで」
ネルが兵士たちの前に立ちはだかると、ばあやさんは、ぐっと眉をひそめて。
「あなたの気持ちも分からなくはありません。ですが、モエさまはアウロラ王国の姫。こんなところで遊んでいる場合では――」
「これは遊びじゃありません! わたしたちの大切なファッションショーなんです」
ネルは、はっきりとそう口にしました。
「モエは、たしかにアウロラ王国のプリンセスだけど、今はわたしのドレス作りの大切なパートナーでもあるんです。お願いです、せめて、このファッションショーが終わるまではモエを連れて行かないで!」
ネルは、ばあやさんに大きく頭を下げました。
ばあやさんは、ギュッとみけんにしわを寄せていましたが、やがて、
「――しかたありませんね」
と、兵士たちを引き下がらせました。
「ありがとう、ネル……!」
モエは、はればれとした笑顔をネルに向けました。
会場は魔法学校の校庭にたてられた大ステージ。
すでにたくさんの観客で大にぎわい。
ふわふわシャボン玉でできたドレス。
天の河のようにきらめくジャケット。
ぼうしから、ワンピース、くつまで全部スイーツでできたコーディネイトなど、たくさんの力作がならびます。
「うわ~、みんなよくできてる」
ネルは舞台そでからステージのようすをドキドキしながら見守っていました。
「ネル、おちついて! そろそろ出番よ」
「うん……」
うつむくネルのかたに、ネルはポンッ! と手をおきました。
「だいじょうぶ、あたしがいるでしょ? まかせてちょうだい!」
「――ありがとう、モエ」
そうだよね、きっとうまくいく。
わたしはひとりじゃない。今はモエといっしょなんだから。
「あーっ、姫さまーっ!」
とつぜん、耳をつんざくような金切り声が聞こえました。
舞台そでに、目を三角にしたおばあさんと、兵士たちが飛びこんできたのです。
「ばあや! ここまで追いかけてきたのね」
「ええ、世界じゅうにそうさく隊をはけんして、ようやく探し出したのですよ。さあ、アウロラ王国に帰りましょう」
と、ばあやさんは兵士たちにモエをつかまえさせようとしました。
「待って! モエはわたしの友だちなの。らんぼうなマネしないで」
ネルが兵士たちの前に立ちはだかると、ばあやさんは、ぐっと眉をひそめて。
「あなたの気持ちも分からなくはありません。ですが、モエさまはアウロラ王国の姫。こんなところで遊んでいる場合では――」
「これは遊びじゃありません! わたしたちの大切なファッションショーなんです」
ネルは、はっきりとそう口にしました。
「モエは、たしかにアウロラ王国のプリンセスだけど、今はわたしのドレス作りの大切なパートナーでもあるんです。お願いです、せめて、このファッションショーが終わるまではモエを連れて行かないで!」
ネルは、ばあやさんに大きく頭を下げました。
ばあやさんは、ギュッとみけんにしわを寄せていましたが、やがて、
「――しかたありませんね」
と、兵士たちを引き下がらせました。
「ありがとう、ネル……!」
モエは、はればれとした笑顔をネルに向けました。



