「これ、ウサギさんたちのフワフワマントで作ったの。ちっちゃいマントじゃひとりずつしか飛べないけど、つなぎ合わせてじゅうたんにすれば、みんなで飛べるようになるでしょう?」
 モエはえっへん! と胸をはりました。

「モエ、ゴメン! わたし、ひとりでがんばろうと思ったのに、けっきょくモエにめいわくかけちゃった……」
 あやまるネルに、モエは首を横にふって、
「なにを言うの? あたしがここまでできるようになったのも、みんなネルのおかげよ。あたしひとりじゃ、お城の外に冒険なんてとてもできなかった。ネルがいてくれたから、どんどん新しい世界に飛びこむことができたの」
「モエ……」
「あたし、ネルといっしょでとっても楽しかったわ」
「わたしも! わたしもだよ、モエ! わたしも、とっても楽しかった。ドレス作りも、ダンスも――。ひとりじゃチャレンジできなかったことも、ふたりならできるようになるんだね!」
 そこへ、パンぞうが、ずいっとふたりの間にわりこみました。
「おっと、このオレさまのことも忘れちゃ困るぜ。クリスタルを手に入れて、ホッとしてる場合じゃねーぞ。ファッションショーのドレス作りはここからが本番なんだからな」
「そうだよね! これからさらにがんばらなくっちゃ」
 ぐっ! と気合を入れるネルに、
「ねぇ、ネル。そろそろ返事を聞かせてよ」
 と、モエがささやきました。
「返事?」
 たずねるネルに、モエは、うん! と大きくうなずきます。
 あ……!
 ネルの心臓がドキン! と大きくはね上がりました。