ふたりはミラクルエンターテイナー!

「パンケーキの魔法?」
 そんなの、聞いたことない!
「心配しないで、あたしたちが教えることをまちがえずにやればOKよ!」
 と、ユナが言うことには。
【ひとつめ 小麦粉とおさとう、たまごとミルクをよく混ぜる】
 これでパンケーキの生地のできあがり。
【ふたつめ 生地をおたまですくってフライパンに流す】
「まーるく、まーるく。くずれないように」
 ネルは、しんちょうに生地をフライパンに流しこみます。
「それで、ポツポツと生地に穴ができるまで焼くの」
 じっくりとね、とアナがアドバイス。
「ふくらんできたら、呪文をとなえて、ひっくり返すんです。『まんまるまんまるお月さま。くるっと回って、はい、とうちゃく!』」
 レナが、ネルとモエにフライ返しをわたしました。
「えっと、『まんまるまんまるお月さま。くるっと回って、はい、とうちゃく!』」
 ネルとモエは、いっしょにじゅもんをとなえて、ふたりでそうっとパンケーキをひっくり返しました。
 すると――。
「ここは!?」
 パンケーキや、アナたち妖精の四姉妹の姿が消えて、ネルたちは銀色にきらめく町のなかにいました。家も、ビルも、みんなあわい光をはなつクリスタルでできています。
「おーや、めずらしい。よその星のお客さんだね」
 そうネルに話しかけてきたのは、赤い目をした白ウサギ。
 しかも、マントを着てフワフワ浮いています。
「ウサギ? しゃべってる? 使い魔でもないのに!」
 おどろくネルに、白ウサギは、
「なーに言ってるんだい。ウサギはみんなおしゃべりするもんだよ。ねぇ?」
 と、仲間のウサギたちをふり返りました。みんな同じようなマントを着ています。
「ひょっとして、ここがクロリク・シティか? オレたち、月までやって来たんだな!」
 パンぞうは飛び上がってよろこびました。
「あーれー? キミ、どこかで見たことあるなぁ」
 白ウサギはじいっ、とモエの顔を見つめました。
「なによ、ジロジロ見るなんてしつれいね」
 モエは、プイッと横を向きました。
 すると白ウサギは、あっ! と声をあげて。
「キミ、新聞にのってたプリンセスじゃないか」
「新聞に?」
 モエが目を丸くすると、白ウサギの仲間のひとりが、
「知らないの? 今、大ニュースになってるのに」
 と、新聞を手わたしました。
『いったいどこに!? アウロラ王国のプリンセス行方不明』
 大きな見出しとともに、モエの顔写真がのっています。