「サラさんじゃないですか!?」
ルナはパッと顔を輝かせ、その女剣士に抱きついた。

彼女はサラ。
路頭に迷っていたルナに、ここの仕事を紹介したのはサラだ。
彼女自身も冒険者で、ルナの様子を見に来ては、自分の冒険談を聞かせてくれる。

ルナはいつも、そんなサラの冒険談を楽しみにしていた。

「今日はどんなお話なんですか!?」
目をキラキラさせるルナに、サラは青い瞳をいたずらっぽい笑みを浮かべる。

「ふふ、ルナちゃんの喜ぶ話よ。
マスター!いつものやつね!」
サラはまだ開店前だが、カウンター奥のマスターに声をかける。