先ほどからmriの絵図がかりかりと、頭が速い時の作業を終えた後にまだ動いている箇所を逆なでしている。そもそもmri何ぞ認識しても遭遇蒼空に次に移りそうなものだが
。気を取られた事にいらついた。そもそもそれを想起させた無駄に高いロールケーキから始まり無意味な会話を強いる目の前の女。白を基調とした内装まで目に慣れない。きづくと彼女に「しょーもな。」と言っていた。何故最初から糞みたいな話を出来る女に行かなかったのかと反省しながら彼女の人格否定を聞いていた。そして彼女のまくしたてる言葉が力なくロールケーキを倒したとき「なんで嘘ばっかりいうの?」という一言がひっかかる。「じゃあ言うけどほんとにしょうもないと思ったからいたんだろ?」といった。そんなこといわなければいいのにと後から書いていて笑ってしまう。「べつにあんたの方が話は面白くないじゃん。」それでも昔は何を言っても笑ってくれ、その顔が癖になって良く俺はしゃべった。そして二人は押し黙った。しかしてこのままでは失う関係性がある。すでに好意は無くイラつくポイントを探す癖だけが残っているだけだ。それでも関係性と約束は便利で、そちらに天秤が傾くのだ。このような内情があるゆえに最近は彼女に何を言ってもうそになるのである。この白とおしゃれの空間のなかで黒いのは俺と彼女の心だけだ。目の前のコーヒーがそれを否定した。俺はひどい酸性雨のイラつきから雨宿りするように飲んだ。ふう、と少し落ち着く。その時彼女は対抗するようにグイっとコーヒーを飲んだが少し経った後ミルクを店員に頼んだ。これにイラつくと思ったが、ひどくかわいく見えた。そこで俺が笑うと彼女も笑った。そしてお互い少し落ち着いた。そもそも最近おれが遊びに誘わないのでおれが好きそうなところを選んでくれたのだ。結果的に女がたくさんいるカフェを4軒回らされたわけだがかわいいといえるだろう。「なんでイライラしてるの?」それは、、、なぜだろう。「たばこすいたい」口が先に答えを言っていた。Mriなんて理由ですらなかったのだ。彼女がさっきは言い過ぎたと思ったのだろう。いそいそと輪切りの人体をさらに細かくして次々に入れ、喉をつまらせた。まだミルクは届いていなかったがそんなことも言ってられずコーヒーを飲む。すると以外に合うことに気づいたのか少し笑顔になった。心の動きがせわしないのは赤子のようだ。キュートアグレッションというのを知ってからひどいことをいったりしたくなることに少し罪悪感が消えた。そんなことより輪切りの人体である。こんなロールケーキの形容を思いつくようになったからこの子に気を使わせてしまっているのだ。「さっきはごめん。実は夢でmriに入ったら輪切りに切断されてさ。ロールケーキがそれににてるな~^^っておもったから。ちょっと嫌な気持ちなんよな。」彼女はさいて~と言って笑い、あわてて手で口元を隠した。かわいいとおもいつつ少しあなたにきもちがなくなってきているから冷たいんだなどとは言えず、嘘をついたと自覚した。そのときミルクが届いた。彼女はすこしにやりとして俺にどや顔をしながら「やっぱりいらないです。ブラックでもおいしいかも。」といったので慌てて俺は「すいません!僕が欲しかったんです。」といい店員さんに会釈した。店員さんは少し笑って去っていった。その店員さんの去るケツを反射で目が追う。しまったと思い彼女を見るが今度は窓の外のすずめに目を奪われていた。なにをしていてもなぜ肯定的にかわいいと思えるのに何故気持ちは薄まったのだろうか。たぶん、こんなにいい子と糞みたいな人間が付き合っていていいのかというとこからはじまり、がむしゃらな熱は冷めていくのだろうか。深刻な問題だ。一息ついた。しゃあなしミルクをコーヒーに入れ、せっかくなので砂糖も入れた。あまったるいが悪くない。黒でも白でもないその色は意外にきれいだった。カップから目をあげると彼女がおれを見つめていた。その目の黒い中心から茶色が解け、添えるように白が囲んでいる。この目が、がむしゃらさの元だったと気づいた。彼女との関係はそのあと3か月続いた。