警告音のようなアラームが夏希の耳元で鳴り響いた。これで5度目だった。毎朝10分おきにアラームを設定して、プラスでスヌーズまでかけている。1番目のアラームは、ピアノのやわらかくやさしい音で、だんだんと激しさを増し、警告音に至る。この習慣は、夏希が高校生の頃からだから、10年くらい続いている。重い体を無理やり起こして、仕事に行く準備をする。となりには、彼氏の冬真が顔を顰めながら寝ている。流石に朝からあの警告音を聞けば誰でも不快に思う。夏希も最初は遠慮していたが、半同居生活を始めて1年が経とうとしている今は、仕方がないとお互い割り切っている。
夏希は顔と髪の毛を整えると、キッチンに向かって、食パンを一枚トースターに入れる。
これは自分用ではなく冬真の分だ。夏希は、冷蔵庫からヨーグルトを取り出して食べながら目玉焼きなど簡単なものを作り、お皿に盛り付けた。
トーストと共にテーブルに置くと、冬真に声をかけて起こした。朝は胃腸が弱いから夏希は流動食のようなものしか受け付けないため、冬真分だけ朝ごはんを作り、すぐに職場へ向かう。これが月曜の朝の日課。金、土、日曜日は大体冬真の家で過ごし、平日は夏希の家に帰る。
「おはよう、もう行くの?」
冬真はあくびをしながら頭を掻いて、ベッドから立ち上がった。
「うん、じゃあまた金曜?いってきます」
「いってらっしゃーい」
冬真は眠そうな声で夏希を見送った。夏希は玄関を出ると、腕時計をチラッと見て落ち着いた足取りで駅へ向かった。
夏希は顔と髪の毛を整えると、キッチンに向かって、食パンを一枚トースターに入れる。
これは自分用ではなく冬真の分だ。夏希は、冷蔵庫からヨーグルトを取り出して食べながら目玉焼きなど簡単なものを作り、お皿に盛り付けた。
トーストと共にテーブルに置くと、冬真に声をかけて起こした。朝は胃腸が弱いから夏希は流動食のようなものしか受け付けないため、冬真分だけ朝ごはんを作り、すぐに職場へ向かう。これが月曜の朝の日課。金、土、日曜日は大体冬真の家で過ごし、平日は夏希の家に帰る。
「おはよう、もう行くの?」
冬真はあくびをしながら頭を掻いて、ベッドから立ち上がった。
「うん、じゃあまた金曜?いってきます」
「いってらっしゃーい」
冬真は眠そうな声で夏希を見送った。夏希は玄関を出ると、腕時計をチラッと見て落ち着いた足取りで駅へ向かった。
