ジュエル♡ハント~治癒王子は愛しの彼女を過保護に守る~




「ひ、日向くん……?どうしたの……?」

「…………」



無言のまま抱き寄せられている。

本当にどうしたんだろう?日向くんもさっきの会話で嫌な気持ちになっちゃった?大丈夫かな……?



「はぁ……行かせたくない」

「え……?」

「ライブ……」



そうだ、もうすぐライブの時間だ。弱っている場合じゃない、準備に向かわなきゃ……!



「アイドル頑張っている橙山さんは応援したいけど、みんなの橙山さんになるのは嫌だ……」

「このまま……俺だけの時間が続けばいいのに……」



なっ……!

抱き寄せられた手の力がまた強くなって……でもいつもみたいに、またからかって!なんて言える雰囲気でもなく……

私もこの空気感が心地よくて……ドキドキが止まらない。

空気に飲まれてしまったかのように、ライブの時間ギリギリまでこのまま2人でいた。